三島和歌子(みしまわかこ)。
日本初のオリンピック選手である三島弥彦の母です。

 

しかし、三島和歌子を弥彦の母という説明だけでは片づけられません。
三島通庸を夫として、華族となった三島家を支える存在でした。

 

その生涯をたどると真っ先に感じるのが、夫への愛情と信念を貫く強さです。

 

大河ドラマ「いだてん」では三島弥彦(配役生田斗真)の母親役として登場します。
配役は白石加代子(しらいしかよこ)さんです。

 

今回は三島和歌子の生き方から学び、いだてんをさらに楽しめるような情報をお伝えしていきます。

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三島和歌子(みしまわかこ)の生涯とは

三島和歌子(みしまわかこ)は1845年に薩摩藩士の家柄に生まれました。
柴山家(旧姓)は下級武士だったようです。

 

三島和歌子は二度結婚しています
一度目は14歳の頃で、森岡家に嫁ぎます。

 

早いですよね^^;
昔は結婚も出産も早いですよね!

 

兄の柴山龍五郎は当時の薩摩藩士らしく尊王攘夷の志士でした。
あの有名な寺田屋事件にも参加して、謹慎処分を受けます。

 

藩の実権を握る島津久光は公武合体派であったので、過激な志士の行動は容認されませんでした。

 

和歌子は兄柴山龍五郎の処分を聞いた森岡家から離縁されます。
森岡家からすると、柴山家と親戚関係を続けることで、何らかの処分を受けることを恐れたと想像できます。

 

その後、三島通庸(みちつね)と再婚することになります。
もともと和歌子は三島通庸に恋心を抱いていたという話もあるようです。真相ははっきりしていません。

 

もし和歌子が三島通庸に好意を寄せていたとしたら、和歌子としては望むかたちで離婚、そして再婚できたということになりますね。

 

三島通庸(みちつね)を命をかけて守る和歌子

三島通庸(みちつね)も寺田屋事件に参加した志士であったので、三島家と柴山家はどこか気が合う仲であったのかもしれません。

 

当時は考え方や志によって、仕事はもちろん命をやり取りになることも珍しくなかった時代ですので、根底にある考え方は今と比べると重要度が違いますよね。

三島和歌子の夫三島通庸
出典:wikipedia.org

三島通庸(みちつね)は戊辰戦争で活躍し、その活躍が認められて明治政府に仕えます。
山形県令(県知事)、福島県令、栃木県令などの要職を歴任し、警視総監を務めた人物です。

 

大久保利通伊藤博文からの信頼も厚かったほどの実力者でした。

 

また、「鬼県令」との異名で呼ばれるほどの剛腕でもありました。

 

そんな折、明治17年に加波山事件が起きます。
三島通庸が栃木県令を務めていたときで、自由民権運動のあおりを受けた暗殺未遂事件でした。

 

三島は民権運動に対して厳しく弾圧していたこともあり命を狙われました。
加波山事件は多くの逮捕者、死刑者もでて、爆発物を使った事件ということもあって、その後の規制にも影響を与えました。

 

和歌子は、そんな常に命を狙われる夫を命をかけて守ります
夫が散歩をすると後ろからついていって刺客を警戒し、来客とはいえ油断しないなど、どんな時でも命をはって夫の身代わりになるつもりで生きました。

 

三島通庸は脳溢血で倒れますが、亡くなるまで和歌子はまともに寝ずに、夫の近くで警護しました。
亡くなった後にようやく懐刀を持たなくなったようですので、文字通り命がけで夫を守り抜いたことになります。

 

華族三島家を支える

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当時は妾をもつことは珍しくありませんでしたが、和歌子の夫三島通庸も妾がいたようです。

 

命をかけて夫を守り、妾の存在も耐え忍ぶ、、、
和歌子の夫への愛情が並ではないということがわかりますよね。

 

2人の子供には後に日本銀行総裁を務める三島彌太郎、日本初のオリンピック選手となる三島弥彦などがいます。

関連記事:島彌太郎の生涯~弥彦の兄は超エリート!いだてんは小澤征悦さん

関連記事:三島弥彦の生涯~年表、妻や子孫は?驚きの身体能力とあっぱれの潔さ

 

夫が亡くなると、和歌子は三島家を切り盛りしていきます。

 

三島和歌子を語る上で欠かせないことがあります。
明治31年に発売された小説「不如帰」です。

 

三島家をモデルにされた小説で、簡単にいうと事実ではない悪口が書かれています。
モデルがわからなければそこまでの問題でないのかもしれませんが、この場合和歌子がモデルであるということが明らかであったため、この小説のために和歌子、三島家はしばらく苦しめられることになりました。

 

いくら事実ではないと主張しても作者徳富蘆花からの謝罪はなく、謝罪があったのは和歌子が亡くなる数年前の大正8年でした。

 

物事は一面だけではなく、色々な側面がありますし、そもそも私が生まれていない時代の話ですので、勝手な言い方になってしまいますが、三島通庸は東北をはじめ現代に続く街並みや道路などの基盤を構築しましたし、強い警察を創り上げました。

 

長男の彌太郎は日露戦争から第一次世界大戦に続く、大変な時期の日本の金融を支え続けました。

 

弥彦が果たしたアジア初・日本初のオリンピック出場は、日本のスポーツ発展に大きな一歩となりました。

 

このような偉業をなし得るためには、妻・母和歌子の尽力は相当なものだったはずです。
その一方で、事実ではない小説で非難を受けなければならないというのはあまりにひどい話な気がします。

 

いずれにしても、和歌子が命をかけて守った三島家が果たした貢献は今の日本に続いています

 

和歌子は大正13年に79歳で亡くなりました。

 

大河ドラマいだてんの三島和歌子役は白石加代子(しらいしかよこ)さん

いだてんの三島和歌子役は白石加代子
出典:thetv.jp

大河ドラマ「いだてん」の三島和歌子の配役は白石加代子(しらいしかよこ)さんです。

 

白石さんと言えば、鬼気迫る演技をする舞台女優として知られています。
多くの方が文句なしに認める実力派女優です。

 

その演技力は主役を凌駕するほどの迫力で、誰にも真似できない存在感があります。

 

テレビドラマや映画にも数多く出演されていますので、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

 

大河ドラマは三度目の出演で、これまで義経(2005年)、花燃ゆ(2015年)に出演されています。

 

最後に

今回のいだてんは主に息子の三島弥彦が取り上げられると思いますので、母和歌子がどれほどの存在になるかはわかりません。

 

いだてんが近代史であること、オリジナルの人物も多いですので、三島和歌子や三島家の存在は際立つはずです。

 

三島和歌子は「女西郷」と呼ばれたほどの人物です。
歴史好き、明治維新好きの私としてはたくさん見たい人物です。

 

和歌子が三島家を守る姿がどう演じられるのか楽しみです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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